シンガポール金融当局は指標金利などの操作を図ったとして銀行19行から昨年徴収していた準備金を返還した。返還額は最大120億シンガポール・ドル(約1兆670億円)。銀行が再発防止の改善措置を十分に講じたと判断した。シンガポール通貨庁(MAS、中央銀行に相当)が7日発表した。

当局は昨年6月に、1行につき1億-12億シンガポール・ドルを無利子で積むことを命じた。シンガポール銀行間取引金利 (SIBOR)と銀行間貸付スワップレート(SOR)、外国為替レートの指標についてトレーダーらが操作を図ったと判断した20銀行を譴責(けんせき)、そのうち19行から準備金を徴収した。

調査会社イースト・アンド・パートナーズの市場分析責任者、ラクラン・コークフーン氏は、昨年の処分は「できる限りクリーンな金融環境を維持するというシンガポールの決意を示す強いメッセージ」だったが、「銀行が資本を強化する必要に迫られている今、善意の印として返還したのだろう」と話した。

19行は、UBSとロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)、INGグループ、三菱東京UFJ銀行、バンク・オブ・アメリカ(BOA)、BNPパリバ、オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)、バークレイズ、クレディ・アグリコル、クレディ・スイス・グループ、DBSグループ・ホールディングス、ドイツ銀行、スタンダードチャータード、ユナイテッド・オーバーシーズ銀行、オーストラリア・ニュージーランド銀行、シティグループ、JPモルガン・チェース、マッコーリー・グループ、HSBCホールディングス。

ドイツのコメルツ銀行は20行の中に含まれていたが、支払いは免除されていた。

 

2014/11/8  ブルームバーグより